腰痛ラボ

腰痛の悩みが和らぐ、腰痛改善を一緒に考えるラボ

【渡部建さん(アンジャッシュ)前編】
「腰痛歴26年。19歳でヘルニア手術も。」

「腰痛歴26年。19歳でヘルニア手術も。」

お笑い芸人としてだけでなく、広い知識と軽妙な語り口で、テレビ、ラジオの司会者としても大活躍の渡部建さん。実力とたゆまぬ努力で順風満帆の人生!と、思いきや壮絶な腰痛経験を持ち、腰痛と向き合う人生を歩んでおられるとか。その腰痛歴と腰痛な日々についてお話を伺った。

—— まず、渡部さんの腰痛歴を教えてください。

渡部建さん(以下「渡部」) 

   僕ね、凄いんですよ、長いです。なにしろ18歳の頃からですから。

—— え!スタートがあまりにも若い・・それはまたどんなきっかけで

渡部 受験勉強です。夜中に勉強しているとつい机に突っ伏して寝てしまう、あれですよ。僕の場合、それがしょっちゅうで、ベッドではほとんど寝ずに机でそのまま寝てしまうことが多かったんです。そのうちにどんどん脚が痺れるようになっちゃって、腰の痛みもひどくなってついに病院へ。そうしたら「椎間板ヘルニアです」と言われ、さらに「即、入院です!」と。そうしたいのは山々でしたが、受験期間だったのでそうもいかず、座薬を入れて痛みを抑えてなんとか乗り切りました。これは結構ハードな経験でしたよ。そして受験が終わったと同時に入院してオペをしました。

—— 受験勉強ですか。渡部さんらしい知的なきっかけではありますが、確かにあの姿勢、腰に悪い要素がてんこ盛りです。決して真似しないでください、と言いたいくらいです。

渡部 ですよね。僕の場合、腰痛と向き合うことになったきっかけが、ぎっくり腰でもないし、スポーツでもなくてちょっと特殊ですね。腰痛歴は今年で26年目になります。その間に、さまざまな失敗も経験し、今ではどういうことをしたら腰が痛くなるかを完璧に把握できていると自負しています。

—— さすが腰痛セレブ。日頃から特に気をつけていること、腰のために行っていることなどはありますか。

 

渡部 沢山あります。手術以来、寝るときには必ず膝下に枕を入れ、一年中腹巻きをし、ちなみに今もしてます。くしゃみをするときには必ず手をついて支え、重いものを持ち上げるときには膝を折り、柔らかいソファには座らず、長時間座るときの対策も幾つかありますし、ゴルフでは手打ちになって飛距離は出ないが腰を回さないなどなど、状況によってすべきことは完璧に把握してます。スクワットもこの角度は危ないなとか、デッドリフトではあと何センチいくと危ないからここで止めておこうとか。

—— センチ・・いや、ミリ単位ですね。

渡部 あはは、でもね、それくらいしないとだめなんですよ。いろいろ調べ尽くして、西洋医学、東洋医学もひと通り勉強しましたから。自分の症状に合った治療法を見つけるのが一番だと思います。

—— それを日々の生活で経験を重ねながら、活かしておられるということですね。いわゆる腰痛グッズなどは使われますか。

渡部 もちろん、使ってますよ。何といっても、アーユル チェアー。お世話になってもう10年くらいでしょうか。初期モデルから愛用していますからね。最近は座イス&座面シートタイプを愛用しています。床に座るのが楽なんですよ。それから、グッズではありませんが、ベッドのマットレスはカッチカチに硬いタイプを使ってます。

—— 硬いマットレスは有効ですよね。さらに言うと、横向きで寝るのが腰に一番負担が少ないそうです。うつ伏せなんてもってのほか。

渡部 そうですよね、ましてや突っ伏して寝るなんて最悪でしたね・・・あとは、長時間の移動用に空気で膨らますタイプのヘッドピローを愛用しています。腰痛にならないようにするには「坐骨を立てる」が鉄則なので、ヘッドピローを腰の後ろに当てておくんです。そうすると無理なく自然に坐骨が立ちますから、リラックスしていても背もたれにもたれかかっていても坐骨は立った状態をキープできます。ただ、機内で使う場合、入れる空気は七割五分で。上空で膨らんでちょうどいい感じになります。毛布を重ねて当てるよりもずっと楽です。あと、スポーツ用のマッサージボールも愛用しています。腰回りがちょっと硬くなってきたな、危ないなと思ったらコロコロやります。テニスボールを2個、ガムテープで巻いて使うことも。筋肉に刺激を与えて血行をよくする効果がありますね。

—— ボールは気持ちいいですよね。編集部内ではソフトボールが人気です。硬さ、大きさがちょうど良くお求めやすい価格ですし。

渡部 それもいいですね。確かに硬さが丁度いいかも。旅先にも持って行けますよね。そういえば品川庄司の庄司智春は一時期腰痛がひどくて、ひな壇に座っているのも辛いと。それで、自作のクッションボールみたいなものを持ち歩いていてお尻の下に入れてましたっけ。

—— 腰痛に悩む芸人さんは多いのですか。腰痛談義などは?

渡部 結構多いと思いますよ。残念ながら腰痛談義とまではいきませんが上手だったマッサージ店の話くらいはするかな。ところで、僕はいわゆるぎっくり腰というのは経験したことがないんですが、冷やすのと温めるのとどっちが正解なんですか?

—— ドクターに伺ったところ、温めた方が血行が良くなって良さそうに思われがちですが、ぎっくり腰は筋肉が炎症を起こしている状態なので、まずは冷やして炎症を鎮めるのが正解だそうです。それか、痛み止めの注射を打つ。いきなりマッサージというのは止めた方がいいかと。

渡部 なるほど。まずは炎症を鎮めてからそれぞれの症状に合った治療法を見つけるということですね。確かに、腰痛へのアプローチって人それぞれで違いますからね。いろいろ調べたり、聞いたりしてみないと・・

—— そんな時は是非「腰痛ラボ」をご活用ください。ところで、渡部さんはいろいろな飲食店に行かれると思いますが、その店の椅子を見て、腰に良い、悪いがわかりますか。

渡部 はい、もちろん瞬時にわかります。だから、椅子によって座り方を調整したりします。危険なのはファミレスにあるような背もたれが遠めのベンチシートタイプ。あれ、油断すると危ないです。

腰痛歴のスタートが受験勉強だったとは驚きです。しかし、さすが渡部さん、理にかなったご意見、工夫がたくさんあって参考になりました。次回は、渡部さんの腰痛人生により深く入り込んでみたいと思います。

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