腰痛ラボ

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【腰痛スペシャリスト】
[特別編]仲野整體 東京青山
仲野孝明氏 後編

腰痛スペシャリスト#10 仲野孝明氏(仲野整體 東京青山)

【特別編・後編】姿勢治療家®仲野孝明氏にきく、腰を痛めてしまった時にすべきこと!

今回も『腰痛スポット探訪』は特別編。「仲野整體 東京青山」院長で姿勢治療家®の仲野孝明氏に再度ご登場いただき、前編では「腰痛にならないためのポイント」や、すぐにでもできるストレッチを教えていただきました。後編では「腰を痛めてしまったとき」にすべきこと、そして効果的なストレッチなどを教えていただきます。

—— 前編では、腰痛にならないためのストレッチ、腰痛を引き起こしかねない生活習慣や姿勢などを教えていただきました。後編では、腰が痛くなってしまった時にできることを教えていただきたいと思います。

ポイント①【ゆっくり歩く】

仲野孝明さん(以下、仲野)前編で「胸の前のみぞおちあたりから歩き出すイメージで歩く」ということをお勧めしましたが、これは痛くなったときも有効です。腰が痛い時はゆっくりとしか歩くことはできないと思いますが、それでも歩きましょう。

—— それは何故でしょう?

仲野 例えゆっくりでも歩くことで、体の動きを取り戻すことができるからです。やはりこれも前編でお話ししたことですが、背骨や腰椎を動かして骨格のアラインメントを整えるために、胸の前のみぞおちのあたりから歩き出すイメージで。歩くことは全身を支える体幹を機能させる有効な手段ですから。

—— 正しい動きを取り戻すということですね。

仲野 はい。でも、それもできないくらい痛い場合は、ひとまず横になってください。でも、30分以上、同じ姿勢でいることは良くないですし痛みが悪化する恐れもあるので、時々ゆっくり体を返して姿勢を変えてください。

—— 辛いときにお勧めの寝方はあるのでしょうか。

仲野 横を向いて、上側の膝を曲げ、その下に毛布を入れると楽です。また、仰向けに寝る方が楽な方は膝の下に毛布などを入れるといいと思います。


—— なるほど。痛くなった時の座り方はありますか?

仲野 座り方は変わりません。坐骨を意識した正しい姿勢で座ってください。正しく座るとお腹にテンションがかかるので腰は少し楽なはずです。お腹の体幹筋肉(インナーマッスル)は、脊髄を安定させる天然のコルセットです。寝ている時にもできる、お腹にテンションをかける「ブレーシング」という呼吸法をお教えします。

—— 自前のコルセットを作るわけですね。是非、お願い致します。

ポイント②【ブレーシング】

仲野 お腹を引っ込ませて細くするように息を吐きます。その状態を保ったまま鼻から息を吸い込みます。息を吐いた時のテンション=お腹が硬くなった状態をキープしたまま、胸で息を吸う。腹横筋(腹部の横の筋肉)を締める練習ですね。これは寝ていても座った状態でもできます。ただ、寝ている姿勢の方が、お腹の部分がフラットになり、お腹を手で抑えて行うと感覚が掴みやすいと思います。さらに、膝を曲げた状態で行うと腰が痛いときには楽だと思います。正しい座り方をしていないことが原因で、体幹筋肉のバランスが崩れ、使わなくなってしまった筋肉を目覚めさせる初歩的な練習ですので、是非、マスターしてください。

—— 習慣になるといいということですね。やってみます。腰を痛めてしまった人ができるストレッチはありますか?

ポイント③【膝抱え込みストレッチ】

仲野 痛いときにできるストレッチはあまりありませんが、これは寝た状態でできるストレッチです。股関節の周りを緩めるために行います。


① 両足を揃えて仰向けに寝る。
② 片足ずつ抱え込む。できるだけ胸に近い位置まで膝を引き寄せ、元に戻します。
③ もう片方も同様に行う。3回ずつが目安。

仲野 【膝抱え込みストレッチ】さえも辛いときには、立って壁に手をついて体を支え、足を開いて片方の足を前に出し、出した方の膝は曲げ、後ろの足は伸ばして腰を前に出します。これは、太ももの前の筋肉を伸ばすストレッチです。腰が痛む時には難しいと思いますが、【膝抱え込みストレッチ】と同じ効果、股関節の前側を伸ばす【股関節ストレッチ】もお勧めですので、痛みが和らいだらトライしてみてください。


 
 
① 片方の膝を床につける。(膝が痛いときはタオル等を敷く)
② もう一方の足を前に伸ばし、直角に曲げて立てる。
③ お尻から頭までまっすぐにする。
④ ③の状態を保ちながら、ゆっくりと腰を前に出す。
⑤ 足を変えて同様に。2回ずつが目安。

 
 
 
 
ポイント④【腰回し】

仲野 足を肩幅に開いて立ち、腰をゆっくりと前後左右に動かす運動もシンプルですが有効です。

—— それから、ぎっくり腰になってしまったときはやはり冷やすべきでしょうか。

仲野 教科書的には24時間は冷やして、その後は温めましょうということになっています。ただ、体調や体質など、個人差があると思うんです。「気持ち良くないことはしない」というのが鉄則ですね。温かいお風呂に入るのを快適に感じる人ならば入った方がいいし、冷やしたいと感じる時には冷やした方が心地よいはず。その感覚を大事にすることが一番だと思います。逆に、普段は気持ちがいいと感じていること、例えば背伸びが痛い、辛いと感じたらそれは今、やってはいけない動作なんです。体の声に耳を傾けてください。

—— 念のため・・・お酒は控えた方がいいのでしょうか。

仲野 (きっぱりと)はい、控えてください。

—— 一応、その理由も教えてください。

仲野 体の表面に傷を負うと血が出ますね。腰の痛みは目には見えませんが、同じことが体の内部で起こっているとイメージしてください。体は壊れた組織を修復することに必死なのに、飲酒によってアルコールを分解することにまでエネルギーを使わなくてはならないとなると・・・お解りですよね。

—— はい、修復作業が遅れる、あるいは滞るということですね・・・

仲野 そうなんです。お酒を飲むとどんどん悪化してしまいますよ。こういう当たり前のことを忘れてしまいがちですよね。

—— 基本のき、でした。面目ありません。そして、腰痛にならないように、正しい姿勢を維持して、正しく体幹を機能させるべく、教えていただいたストレッチを習慣にしたいと思います。

仲野 痛みはチャンスです。痛みのシグナルをきっかけに、“正しい姿勢・正しい体の使い方”を知り、改善してください。

—— はい!ありがとうございました。

痛めてしまった時にすべきこと。知っているのと知らないのとでは安心感が違います。でも、できることなら痛めたくない・・・そのためにはもう一度、前編を熟読して正しく機能する体を作りたいと思います。

仲野整體 東京青山
TEL:03-5766-1937
仲野孝明氏(「仲野整體 東京青山」院長)
姿勢治療家®、仲野整體柔道整復師、柔道整復師認定スポーツトレーナー
1973年、三重県生まれ。大正15年創業「仲野整體」四代目。2008年「仲野整體 東京青山」開院。
著書に『一生「疲れない」姿勢のつくり方』(実業之日本社)『長く健康でいたければ、「背伸び」をしなさい』(サンマーク出版)他多数

姿勢治療家®とは、“正しい姿勢”と“正しい体の使い方”から、10年後の健康のために治療する、筋骨格から健康を作る体の専門家。
「仲野整體 東京青山」は、来院者が本来の体を学び、取り戻す場所。

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