「40代でゴルフも再開。腰痛はちゃんと向き合えば怖くない。」
「腰痛ラボ」初の女性腰痛セレブ、ファッションモデルのマエノリさんこと、前田典子さんをお迎えしての腰痛セレブ対談。前編では、かなり緊張感溢れる数々の腰痛エピソードを語っていただきました。後編では、“ひたむき” “がむしゃら”を卒業したマエノリさんの最近の様子や対処法などを伺います。
—— 前回は数々の腰痛エピソードを伺い、愛用の腰痛用ベルトも見せていただきました。腰痛用ベルトもマエノリさんの愛用品となると、オシャレ感が漂うから不思議です。

前田典子さん(以下、前田) そうですか(笑)。極々、一般的なものばかりです。
—— 1点、白で編み上げのコルセットみたいなものが気になったのですが。
前田 あれは、20代の頃にヘルニアと診断されて、病院で作ったもので、最初に使った腰痛用ベルトです。ベルトというよりコルセットですね。細い板が縦に何枚も入っていて、そこにベルトを通し、紐でしっかりと締め上げるタイプ。ちょっと、マドンナの衣装みたいですよね(笑)。
—— 確かに(笑)。でも、かなり頑丈で本格的。これを作られた当時は相当、お辛かったのでしょうね・・・
前田 そうですね。それから何年か前、韓国に行った時にマッサ—ジを受けたのですが、かなり強めにとリクエストしまして、翌日ショッピングをしている時に、もみ返しがきてしまったんです。腰がどんどん痛くなってきて、どうしよう!と思っていたら、なんと、目の前の露店で腰痛用ベルトを売っていたんです。即、買いました。それがベ—ジュのベルトです。
—— なんという偶然。でも、買い物ができなくなって残念でしたね。
前田 いえいえ、買ったその場で装着して、買い物を続けました(笑)。
—— あははは、行動的なマエノリさんらしいエピソ—ドです。しかし、目の前の露店で腰痛用ベルトを売っている確率はかなり低いですよね(笑)。すごいタイミングです。他にも愛用の腰痛ケアグッズはありますか?
前田 主人も腰痛持ちなので、自宅のリビングにはマッサージチェアが置いてあります。様々な機能がついている本格的なマッサージチェアではなくて、一見すると普通のパーソナルチェアのようなシンプルなものです。主人はゴルフやテニスをして帰宅すると、まずそこに座ってほぐしていますね。もちろん私も使います。張った時には、とりあえずほぐすのが大事なので、十分に役立っています。それから、筋膜リリース用のローラーは色違い、サイズ違いで幾つか持っています。
—— こちらも何だかオシャレ。大きい方は全身に使われるのでしょうか?

前田 はい。腰痛だからといって腰をマッサージすればよいというわけではないんですよね。ふくらはぎや太ももの裏、お尻などの張りを放っておくと、後々腰痛に繋がるので大きい方のローラーを使ってほぐします。体の脇や背中も。小さいローラーはいつも床にコロンと転がしてあるので、ソファや椅子に座っている時、足で踏んでコロコロと。
—— それなら、テレビを観たり本を読んだりしながらでも無理なくほぐせますね。そういった日々行う、小さなケアの積み重ねも大切なんですね。
前田 張ったり、固まったりしたらすぐにほぐす。きちんとケアするだけでも随分違うと思います。ぎっくり腰って、突然なるわけではなくて、不具合が積み重なって何かのタイミングで爆発してしまうものでしょう。地震が発生する仕組みと似ていますよね。
—— なるほど、プレートの下に別のプレートが徐々に沈み込んで引きずられて、2つのプレートの境にできたひずみがだんだん耐えられなくなって跳ね上がる・・・この跳ね上がった状態がぎっくり腰、ということですよね。
前田 そうです。だから、ケアをして急に跳ね上がる=ぎっくり腰になることの無いようにすることが大事だと思うんです。それから、体を冷やさないように心がけています。
—— ぎっくり腰になった直後以外、腰や体を冷やすのは良くないですからね。前々回のゲストの渡部建さんは一年中、腹巻きをしているとおっしゃっていました。ところで、腰痛情報はご友人たちから得られることが多いのでしょうか?ファッション、雑誌、テレビ・・各業界とも腰痛の方が多そうですね。
前田 そうですね、カメラマンさんにスタイリストさん、ヘアメイクさんも腰痛持ちの方が多いので、私の周りは情報の宝庫と言えるかもしれません。
—— 評判のいい先生とか、応急処置的なこと、最新情報からレアな情報までいろいろな情報を入手できそうですね。
前田 はい。そういう状態ならここがお勧めとか、こういう治療がいいとか、皆さんよくご存知で、的確な情報やアドバイスをいただけます。牽引、鍼、筋膜リリース、マッサージ、気功・・・ありとあらゆることを試しましたし、勉強にもなりました。
—— 最近はいかがですか?いざという時の駆け込み寺のようなところはあるのでしょうか。
前田 最近は、美容鍼が目的で通っている鍼灸院で、たまに全身にも打っていただいています。それから、自宅から這ってでも行けるくらいの近い場所に、スポーツ系の整体院があって、そこが我が家の駆け込み寺的な存在ですね。
—— 偶然、見つけられたのですか?
前田 いえ、ママさんバレーをやっているママ友に教えてもらいました。緊急事態に車で移動するなんて耐えられませんからね。ここは、主人も息子もお世話になっています。それから、最近すぐ近所にもう一軒、整体院がオープンしたんです。某有名ゴルファーのトレーナーの方が開いたそうで、無料体験チケットを配っていて、体験してきた近所の友人たちに話を伺った感じではなかなか良さそうなので、近々行ってみようかなと思っています。
—— 這ってでも行ける近距離に信頼できる整体院が2軒もあったら相当心強いですね。
前田 そう思います。安心ですよね。

—— そういえば、マエノリさんはゴルフがお好きですが、ゴルフ歴は長いのでしょうか。腰痛は大丈夫ですか?
前田 ゴルフを始めたのは20代ですが、実は腰痛が怖くてやめてしまったんです。でも、40代で再開しました。というのも、腰痛が起こる原因、骨格や筋膜などの知識も得られましたし、自分の体の限界や弱い部分なども解って、無理や無茶をしなくなったので怖くなくなったんです。ラウンドの前には準備運動をして、打ったらその都度いったん腰を伸ばし、ラウンドの後にもちゃんとケアします。「このままではまずいぞ」ということも感覚的にわかるようになりましたし。こんな風に腰痛と上手に付き合いながら、好きなスポ—ツを楽しめるようになりました。大人になりましたね(笑)
40代でフルマラソンを完走されたマエノリさん。20代の頃から、幾度となく辛い思いをされてきたマエノリさんですが、ただただ怖れるだけではなく、腰痛のメカニズムを理解し、自分の体と向き合うことで腰痛との付き合い方を見つけたというお話は心に響きました。信頼できる整体院が、自宅から這ってでも行ける近距離にあることは安心感に繋がり、腰痛に対するストレスを軽減してくれることでしょう。マエノリさんの今後のさらなるご活躍が楽しみです。