腰痛ラボ

腰痛の悩みが和らぐ、腰痛改善を一緒に考えるラボ

【腰痛スペシャリスト】
HOT Chiro Tamachi
若田部秀司氏 前編

腰痛スペシャリスト#18 若田部秀司氏(HOT Chiro Tamachi)

腰痛を元から断つ!4200時間以上の基礎医学、カイロプラクティック学、
臨床実習をクリアしたカイロプラクター

今回の腰痛スペシャリストは、世界保健機構(WHO)ガイドラインに準拠した基準の教育を履修した正規のカイロプラクターのみが所属できる団体=日本カイロプラクターズ協会(JAC)認定の整体院「HOT Chiro Tamachi」院長の若田部秀司さん。辛い症状の根本からの改善を目指す若田部先生に、腰痛持ちなら誰でも知っている「カイロプラクティック」についていまいちどご説明いただき、前編では先生がカイロプラクターの道に進まれた経緯なども伺いました。

——  腰痛持ちでカイロプラクティックを知らない人はいないと思いますが、改めて基本理念等、教えていただけますでしょうか。

若田部秀司さん(以下、若田部) 

    はい、カイロプラクティックという施術方法の考え方のベースにあるのは背骨です。背骨の歪みを調整することで神経や筋肉の働きを回復させ、体を正常な状態に導いていくというもの。歪んでいる箇所を矯正するというのではなく、そこを歪ませている原因を突き止めて、そちらにアプローチして根本的な改善を目指すという考え方です。結果ではなく、原因にアプローチするということですね。
人間の体は神経系を基軸として筋肉、骨格が干渉しあって機能していますから、症状を誘発してしまう原因は必ずとも1つとは限りません。様々な可能性を識別して、適切な施術を行うことが求められます。

*カイロプラクティックは、ギリシャ語で「手」を意味する「chiro」と、「治療・技術」を意味する「practico」からなる、背骨や骨盤の歪みを手によって矯正する治療法。

——  先生が卒業された、カイロプラクティックを学ぶ大学、RMIT大学日本校(*2007年にTokyo College of Chiropractic=TCCに名称変更)では、どのようなことを学ぶのでしょうか。TCCは世界保健機構(WHO)が提示する「カイロプラクティック教育指針」に基づいたプログラムが学べる、日本で唯一の大学なのですね。

若田部 そうです。まず、基礎科学から始まって基礎医学、解剖学は基本中の基本で、生理学、心理学、生体力学、整形外科診断学などなど、1、2年生でみっちり勉強します。

——  とても広範囲なのですね・・・勉強することが多くて大変そうです。ほかにも特徴的なことはありますか?

 

若田部 ほかの機関と大きく違うところは・・・そうですね、在学中に臨床実習を1,000時間以上行わなくてはいけないところではないでしょうか。

*WHO基準カリキュラム構成:臨床実習 1004時間、カイロプラクティック学 1480時間、基礎医学・臨床科学 1817時間、総合時間数4301時間の講義・実技・臨床実習を行う。

——  在学中にですか?そんなに。

若田部 ほかの教育機関の場合ですと、卒業してから治療院に勤めて技術を学んでいくというのが一般的だと思うのですが、TCCでは在学中にインターンとして実習を行うだけでなく、施術ごとにレポートを提出してそれが認められなくてはいけない。知識だけでは卒業できないんです。

——  厳しいですね。でも、治療者として最低限の知識と技術を備えて卒業するということは、治療を受ける立場としては安心できます。

若田部 そうですね。私は卒業後、6年間TCCの講師をしていました。うちのスタッフは私を含め全員が日本カイロプラクターズ協会(JAC)の会員です。

*日本カイロプラクターズ協会(JAC)は、WHOガイドラインに準拠した基準の教育を履修した正規のカイロプラクターのみが所属できる団体。

——  受付に会員証と認定証があるので一目でわかりますね。
HPを拝見すると先生は、中学、高校で陸上競技をなさっていたとか。

若田部 私は、100m、10種競技、110mハードルではジュニアオリンピックに出場して2位になりました。インターハイにも出場したんですよ。

——  素晴らしいですね!カイロプラクティックの道に進まれたことと、陸上競技をなさっていたことは何か関係があるのでしょうか?

 

若田部 実はあるんです。陸上競技をやっていた頃、腰痛になって走れなくなってしまったんです。それで、いろいろなところで診てもらって、ヘルニアと診断されたり、坐骨神経痛と診断されたりして様々な治療を受けました。その中で、一番変化を実感できたものがカイロプラクティックだったんです。
実は私は走るのが嫌いで・・(笑)

——  え、どういうことですか。素晴らしい成績も残していらっしゃるのに?

若田部 はい、走るのが好きだったのではなく、ただ、負けたくない一心で走っていました。だから、オーバーワークになって故障して、走れなくなってしまったんですね。練習をしなくてはいけないのに走れないという状態でした。カイロプラクティックによって、数ヶ月ぶりに全力疾走できたときに「走るのってこんなに気持ちのいいことだったんだ!」と、初めて感じたんです。
その後、将来について考えているときに、その頃のことを思い出しました。できるのが当たり前だと思っていること・・・普通に歩いたり走ったりすることができなくなったときの辛さ、そして、それがまたできるようになったときの嬉しさを。自分と同じような辛い状況の人はたくさんいるはずだから、そういう人たちの役に立ちたいなあと思って。

——  なるほど。とても説得力があります。カイロプラクターの中には先生のような経験をされたことがきっかけで、カイロプラクターを志したという人も結構いるかもしれませんね。患者さんの気持ちがわかるというのは素晴らしいと思います。
それでは、「HOT Chiro Tamachi」での施術の流れを教えていただけますか。まずは問診から?

若田部 触診して背骨の動きを確認するとか、姿勢を見て歪みをチェックすれば、結果として体に起きていることは確認できますが、それを引き起こしている根本的な原因というのは日常生活にあるので、それを探すためにしっかり問診を行います。

——  すぐにわかるものなのでしょうか?

若田部 最初はまだ距離感がありますから、治療を進めながら距離を縮めていき、徐々に掘り下げていって、少し踏み込んだ話もしながら探っていきます。できるだけ早く突き止めて、早く治してあげたい。原因と思われることをご本人の言葉で言っていただけるようにコミュニケーションをとっています。

——  生活習慣ということになると、本人が気づいていないということもありそうですからね。来院される方で多いのはどんな不調ですか。

若田部 腰痛関連はとても多いです。あとは、肩こり、頭痛など。似たような症例や隠れている原因に近いものがあっても、それぞれ骨格や筋肉のつき方、生活習慣も違いますから同じ症例はありません。

——  やはり、腰痛は多いのですね。腰痛の原因として意外なものはありますか?また、注意すべきことは。

若田部 原因は色々ありますが、皆さん、意外と気づかないのが脚の歪みです。立ったり、歩いたりしているときに唯一、地面と接しているのは脚ですから、脚の歪みやそれに起因する立ち姿勢や歩き姿勢の悪さは腰にも当然のことながら影響します。そして、私が皆さんによくお話ししているのは「同じ姿勢で居続けない」ということ。ベッドもソファも椅子も心地よくて動きたくなくなるものは腰のためには良くないものだと思ってください。

——  同じ姿勢でいることが腰にはよくないという具体的な状況を教えてください。

若田部 同じ姿勢を続けると、関節は詰まって固まり、筋肉はその状態を覚えて伸びにくくなります。このように固まっている状態で急に立ち上がったり、起き上がろうとするとそれらに強い負荷がかかり、その力が骨盤を強く傾斜させてしまうなどして、結果的に腰に負担がかかるのです。

——  筋肉の硬さは様々な不具合を生じさせますね・・・後編では是非、その辺りを解消して、腰痛予防にもなるストレッチを教えていただけますでしょうか。

若田部 はい。よろしくお願い致します。

体を包み込むようなフワフワのソファは禁止、ベッドは寝返りしやすい硬いものを選ぶべし、などなど、改めて腰痛持ちの心得を思い出しました。後編では、ずぼらな腰痛持ちにもお勧めの簡単で効果的なストレッチを教えていただきます。乞うご期待!

HOT Chiro TAMACHI
TEL:03-6459-4120
若田部秀司氏
カイロプラクティック理学士/応用理学士/日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員
日本カイロプラクティック登録機構登録カイロプラクター(登録番号:0832)
栃木県佐野市出身。RMIT大学日本校カイロプラクティック学科(現TCC)(*RMIT大学日本校は、日本で唯一、国際承認を取得しているカイロ教育機関)卒業後、都内のカイロプラクティック院にて臨床を行うと同時に、RMIT大学日本校にてカイロプラクティック学講師、および付属治療院であるカイロプラクティック新橋外来センターにてClinician(監督責任者)として大学教育に携わる。受け持った学科は、脊柱触診、四肢触診、臨床生体力学、緩和操作テクニック、脊柱(矯正)テクニック、理学審査など。

Return Top