「骨折よりも出産よりもキツかったギックリ腰で腰の大切さを痛感」
今回の腰痛セレブも女性、お笑い界のファッショニスタ、ハイヒール・モモコさんです。テレビやラジオで幾つものレギュラー番組を持つモモコさんは、仕事で日々大忙しなことに加え、よき妻、よき母として家庭を守るしっかり者としても知られ、後輩の若手芸人たちからは「モモコ姉さん」と呼ばれ、慕われるモモコさん。彼女を10代の頃から悩ませているという腰痛について伺いました。モモコさんらしいエピソード満載です。
—— 元気一杯というイメージのモモコさんですが、腰痛に悩まされておられたのですね。腰痛歴を伺いたいのですが、長いのでしょうか。
ハイヒール・モモコさん(以下、モモコ)
10代の頃から肩こりと腰痛(*「ヨウツウ」と読まず関西バージョンで「コシイタ」と。以後も同様に)に悩まされていたんですよ。最初は肩こりからだったんですけど、肩が痛くて泣く〜!くらいの猛烈な肩こりやったんです。次に腰にきて・・・もう2回もギックリ腰やったんですよ。
—— 10代からですか!肩こりも辛いですよね・・・二度経験されたというギックリ腰についてお話いただけますか。
モモコ まずね、私は交通事故で脚を骨折したことあるし(*注)、メニエール病にもなったことがあるし、出産も3回してますけど、一番キツかったのがギックリ腰でした。とにかく辛かった。骨折した時は松葉杖をついたり、車椅子を使ったり、骨折してない方の脚でケンケンすれば、不自由やけれどもまあまあ大抵のことは出来たんですよ。でも、ギックリ腰になった時は靴も履けない、顔も洗えない、歯磨きしてゆすいだ水を吐き出すことさえもできない・・・もう、なんにもできない!一番大変やったと思いますし、腰って大切なんやなと痛切に感じました。
*注 2013年12月4日、大阪市内でモモコさんが乗車するタクシーが乗用車と衝突。モモコさんは全治6週間のケガを負った。
—— 確かに。怖くて何もできませんよね。最初のギックリ腰の原因として何か思い当たることはあるのでしょうか。
モモコ タイミングとしては、二人目を出産してすぐだったんですよ。咳をしたときに、うっ!となって・・・そのまんま。びっくりしました。うわあ、これは普通の痛さじゃない!と、思いました。仕事で座りっぱなしだったり、逆に立ちっぱなしだったり、同じ姿勢で長時間過ごすことを長いこと繰り返していたことも原因やと思うし、今にして思えば、若い頃は単車にも乗ったし、ディスコが流行った世代やしとか、そうやって知らず識らずのうちにちょっとずつ腰にダメージを与えてきたことも関係してるのかもしれませんよね。
—— なるほど、長年の様々な腰への負担が積み重なって、ついに出た!という感じですね。その時の状況をもう少し詳しく教えていただけますか。
モモコ はい、ギックリになった時、幼稚園の先生がお迎えに来てくださる集合場所まで、長男を歩いて連れて行かなあかんかったんですよ。恐る恐る腰を動かそうとしてみましたけどぜんぜん伸ばせないし、無理して動かすのは怖いし、体勢は・・・あの・・・若い方はご存知ないと思いますけど、ちょうど『カックラキン大放送!!』(*注)のナオコお婆ちゃん状態。腰がほとんど直角に曲がった状態のままで、なんとか息子を集合場所まで連れて行ったんですよ。
*注『カックラキン大放送!!』は、1975年〜1986年、日本テレビ系列で毎週金曜日の19時30分〜放送されたバラエティ番組。研ナオコさん扮する“ナオコお婆ちゃん”が登場する「ナオコお婆ちゃんの縁側日記」は人気のコーナーだった。
—— わあ、それは大変・・・でも、よく歩けましたね。さすが、母は強し、です。みなさん驚かれたのでは?
モモコ はい、何しろナオコお婆ちゃん状態ですからね(笑)。見かねた先生が「帰りは私がご自宅まで送りますから大丈夫ですよ」って、言ってくださって助かりました。有難いなあと。でも、それに味をしめて、しばらく先生にお願いしてたんですよ。本当はもうだいぶ回復してたんですけど、先生の前では腰を曲げた状態のままにしてたんです。そうしたら、ある日先生が「あの・・・テレビの生放送見たんですけど、モモコさん普通にしてはったでしょ・・・」って。バレてた!(笑)
—— あははは、生放送はばれちゃいますね。初めてのギックリ腰を経験されたのが30代ですね。二度目はいつ頃ですか?
モモコ 40代の後半でやっちゃいましたね。最初の時のギックリ腰のキツさが身にしみてたので、常に注意はしてたんですけど、ついつい油断したんでしょうね。その日は車で長時間移動した後、飛行機に乗る予定だったんですよ。同じ姿勢で長時間過ごしたときは危ないからと、特に注意していたはずなのに、空港に着いて車から降りるときに「うっ!!」となってそのまんま。なんとか歩けるには歩けたんですけど、とにかくもの凄くゆっくりやから、そんなスピードで移動してたら飛行機に間に合わへん!と、いうことで結局、車椅子に乗せてもらいました。いつも外では、極力目立たないようにしてるのに、車椅子でめっちゃ目立っちゃってましたね(笑)。外でなったら大変やなと思いました。
—— 一度目はご自宅でしたが、二度目はよりによって人目の多い空港とは。いつも注意なさっていたはずのに、ほんのちょっと油断した瞬間になってしまった感じですよね。
モモコ そうなんです。当然、重たいものを持ち上げる時は注意しますし、くしゃみするときも、もう条件反射的にパッと腰を押さえるくらい気をつけていたのにね。そういえば以前、仲良しのお友達が目の前でギックリ腰になった瞬間を目撃したこともあります。
—— 滅多に瞬間を目撃することはないと思いますがどんな状況で?
モモコ みんなでご飯を食べているときだったんですけど、誰かに料理を取ってあげようとして彼女が器を持ち上げたときにうっ!となってそのまんま。重い荷物を無理して持ち上げた、ということならまだしも、器に料理が入っていたとはいえ、そんなに重いものではないでしょう。びっくりですよ。
—— その時の腰の角度やちょっとしたしぐさで生じたねじれなど、いろんな小さなことがたまたま瞬間的に重なって起こってしまう。そう思うと防ぎようがなくて怖いですよね。
モモコ そうなんですよ、怖いですよ。血が出たら血を止めればいいし、怪我をしたらとりあえず絆創膏を貼ればいいけど、ギックリ腰にはそういう風にとりあえずできることがないし、なってしまったら何もできないじゃないですか。辛いですよね。本当に恐ろしいです。歩けないくらいひどい腰痛は二度ですけど、常に腰痛はあるので、ケアしてます。“二度あることは三度ある”って言いますけど、絶対に三度目のギックリはないぞ!と心に決めて。あの痛さや不自由さを思い出すともう絶対に嫌ですからね。腰痛に効くと言われることは、とにかく何でもやってますよ。ベッドも腰にいいという硬めのマットレスに変えましたし、先生に言われて水もたくさん飲むようにしています。最近は朝起きたときに、ん?今日はちょっとおかしいぞとか、腰の危険具合もわかるようになりました。
—— 最初の辛さもさることながら、二度目は相当キツかったようですね。
モモコ 40代でしたからね、キツすぎて、苦しすぎて、いろんな病院に行ったし、ありとあらゆることをしました。
—— その辺りを詳しく、後編でお願いします。
『カックラキン大放送!!』のナオコお婆ちゃん、懐かしいです。あんな風になっていたとは!さぞお辛かったことと思います。ギックリ腰に関しては、モモコさんの辞書に「二度あることは三度ある」ということわざの掲載はない、そう願いたいです。後編では、腰痛の対処法やちょっと意外な腰痛に効果的なお気に入りの趣味?、そして、モモコさんが全幅の信頼を寄せるという先生のお話も伺います。