「腰痛グッズ歴は20年以上、キング・オブ・ラヴソングの究極のウェアーとメンテナンス」
今回の腰痛セレブ対談のゲストは「ラヴソングの王様」、Martinさんこと、鈴木雅之さんです。前編では腰痛の原因となった過去の怪我、鈴木家に猫背が多い理由など伺いました。後編では最高のライヴやレコーディングを行うためのメンテナンスや愛用の腰痛・健康グッズについて伺います。
—— 前編は、腰痛グッズ・健康グッズには一家言あり・・・というところで終わりましたが、たくさんお持ちだというそれらグッズについて、まずお伺いしたいと思います。
鈴木雅之さん(以下、鈴木)
これまで、ありとあらゆるものを試しました。大好きなんですよ。体に良さそうなもの、理にかなっているなと思うものを見つけると、とりあえず買って使ってみます。
—— 健康グッズ歴を、具体的な例を交えつつ教えていただけますでしょうか。
鈴木 わかりました。例えば・・・最近はポピュラーになっている、低周波のマッサージパットはご存知ですよね。お腹に貼って使用する低周波マッサージパットというものの走りになるのかな?初期のものを使っていました。もう20年くらい前のことだと思います。今では、だいぶ購入しやすい価格になっていますが、当時はけっこう高額だったと思いますよ(笑)。でも、低周波がなぜいいのかという説明を読んで、筋肉に負荷をかけずに刺激するというのは理にかなっていて良さそうだと思ったので試してみようと。腰痛にもいいでしょう。
—— え!そんなに前からあったのですね。知りませんでした・・・私は某有名サッカー選手を起用したテレビCMで最近知りました。他にもいろいろありそうですね。
鈴木 中山式のサポーター、磁気ネックレス、パワーシール・・・パワーシールと同様の効果があるローションタイプのものは今も使っていますし、立った時の姿勢や体のバランスを整えるためにシリコン製のソールも愛用してます。靴の中敷きに入れるタイプのもので、これは、自分用にカスタマイズしていただいたのですごくいいんですよ。それで、これはライヴの時にも良さそうだと思って、使ってみたことがあるんですけど・・・なぜかすごく気になっちゃったんですよね、足の指が。気になって歌に集中できない(笑)、そんな状態でラヴソングは歌えないでしょう(笑)。だから、ライヴ以外のときに愛用しています。
—— あははは!体にはいいがラヴソングには向かない・・・足元、ソールにも注目されているのはさすが腰痛セレブですね。
鈴木 あとは、ボクシングの元WBA世界ライトフライ級チャンピオンだった渡嘉敷勝男さんはご存知かと思いますが、渡嘉敷さんがプロデュースした「トカちゃんベルト」というのがあって、それも使っていましたね。腰痛の時には腰が固定されていいし、そのベルトをしたまま運動すると、ベルトで覆われた部分にたくさん汗をかくので、腰回りを引き締める効果もあるというなかなかの優れものでした。これを使っていたのも20年くらい前だったような・・・
—— コミカルな名前とは裏腹に腰痛対策にもなり、引き締め効果もあるベルトだったのですね。20年前のお話も伺えるとは!腰痛グッズの歴史を垣間見る感じで勉強になります。現在、愛用しておられるグッズはありますか?
鈴木 新しいもの、良さそうなものを見つけると、とりあえず買ってみるので常にいろいろ持ってはいますが、究極的なものは、今も着用しているこのサポーター、というかインナーウェアーですね。さきほどお話しした、シリコンのソールを作っていただいた柿崎藤泰先生(*1)の監修による「コアフィット」(*2)というものです。(シャツの下に来ておられるベストのような「コアフィット」をちらっと見せていただく)
*1
柿崎藤泰(かきざきふじやす)先生/医学博士、文京学院大学理学療法学科教授 専門分野は呼吸器および運動器疾患の理学療法。胸部の運動分析、胸郭周囲筋活動の関係、呼吸運動療法の開発を行い、『Breathing Care Tokyo』でのサポートも行なっている。
*2
「コアフィット」胸郭→胸椎→腰椎→仙骨補正という一連のリセット効果でねじれもリセット。正しい姿勢に戻すことで、体の不安、姿勢の悪さ、腰への負担、パフォーマンスアップが期待できる機能性ウェアー。体にフィットする設計と体温で体に馴染む特殊伸縮性素材の使用により、長時間の着用も可能。インナーウエアーとしても使用できる。
鈴木 これは開発を始めた時から関わらせていただいていて、試着してみて、この部分が少し窮屈です、ここはもう少しフィット感があった方がいい、といった意見や感想を伝え、それを取り入れつつ様々な改良を重ねてきたものなので、現在のものはほぼ完璧、完成形と言ってもいいんじゃないかな。今、着ているのは通気性の高い春夏バージョンで、秋冬バージョンもあります。
—— 体幹のねじれを整えてくれるものなのですね。女性の矯正下着のようなものでしょうか。
鈴木 そうですね。でも、長時間着用していても全く苦しくはなくて、普段もインナーウェアとして着ています。適切なテーピングでサポートされ、筋肉が正しい位置に収まって姿勢が整う感じで安定感がありますね。今はこれを着用していないと落ち着かないくらい。
正しい姿勢を身につけるということでは「アーユル チェアー」もいいと思いますよ。事務所のミーティングスペースに置いてあるので、来ると必ず座ります。これに座って、正しい姿勢を再確認します。
—— マッサージや整体なども行かれるのでしょうか。
鈴木 行きます。マッサージ、整体、鍼、灸・・・お灸は一時期ハマりましたね。レコーディングの前に受けると、胸が開いてすごくいいんですよ。レコーディングやライヴの前にはトレーナーさんに体を温めてもらうんですが、その温め加減が大切で、すごく微妙なんですよ。温めすぎると脱力感が出てしまうので。
—— ライヴ前、レコーディングなど、ピンポイントで必ず体を整えておられるのですね。その後のケアももちろんなさっていると思いますが。プロの言葉は説得力があります。
鈴木 いかにメンテナンスをしているかが大事だと思うんです。体のプロにバランスをみてもらって、整えてもらってもそのままでは次第に元に戻ってしまうので、定期的に繰り返し行うことが必要だと思います。柿崎先生がサポートしておられる『Breathing Care Tokyo』(*3)には定期的に通って、呼吸と姿勢のコンディショニングを行なっています。どちらもとても大事ですからね。
*3
『Breathing Care Tokyo(ブリージングケア東京)』/呼吸・姿勢・動作の関係性を修復する身体のコンディショニングスペース。
—— インナーマッスルを鍛えるということがポイントですね。
鈴木 そうなんです。間違って理解されていることが多いように思うのですが、インナーマッスルを鍛え、正しく機能させて体を支えることと、ムキムキの表層筋をつけることとは別のことなんですよね。お腹のインナーマッスルを鍛えれば腰痛防止にもなりますから。
—— おっしゃる通りです。腹部のインナーマッスルを鍛えれば自前のコルセットになります。
鈴木 でも・・・実は僕も20代、30代の頃は、体を鍛える=表層筋を鍛えた体こそが美しい!みたいに思っていましたから、ジムに通ってとにかく筋肉に負荷のかかることをいっぱいやって鍛えるということをしていたんですよ。それで、初めて“40肩”になったときに診ていただいた先生に「鈴木さん、昔、鍛えてましたか?」って聞かれて「はい」と答えたら「やはりね、鍛えるのをやめちゃうとすぐに表層の筋肉は弱ってしまうので“40肩”のような症状が出やすいんですよ」と言われました。今は、インナーマッスルの大切さや、呼吸、姿勢の重要性も実感しています。
—— さまざまな経験を経て、答えを見つけられたという感じですね。さすが、プロフェッショナル、説得力があります。
鈴木 4月からは全国ツアーも始まりますから、それに向けてメンテナンスもしっかり行なっていきます。
—— 全国ツアーを楽しみに待っていた!というファンの方も多いことでしょう。頑張ってください!「腰痛ラボ」編集部としては非常に興味深い、楽しいお話をありがとうございました。
ライヴやレコーディングには、常に最高のコンディションで臨まれている鈴木雅之さん。常に自分の体と向き合ってこられた歴史を伺い「ラヴソングの王様」は、やはりただ者ではないと実感しました。これからは是非とも、腰痛・健康グッズ最新情報を教えていただきたいと思った腰痛ラボ編集部一同でした。