腰痛ラボ

腰痛の悩みが和らぐ、腰痛改善を一緒に考えるラボ

#8 仲野孝明氏
(仲野整體 東京青山)

聖地巡礼#8 仲野孝明氏(仲野整體 東京青山)

人間の体の構造は歩くためのもの!歩くことで正しい姿勢を維持し体幹を機能させる

前編では、姿勢の大切さを伝え、健康な体作りに取り組む姿勢治療家®仲野孝明氏に「仲野整體東京青山」の取り組みや目指すもの、そして「仲野整體」の歴史なども伺いました。後編では、さらに具体的に、より深く、正しい姿勢の大切さについて伺います。

—— 姿勢治療家®という新しい職業を創られた理由を伺い、先生の目指されるものがよくわかりました。「姿勢」については近年、関心が高まってきていますし、サポートするグッズや指導書などもたくさん販売されていますね。

仲野孝明さん(以下、仲野)

   おっしゃる通りです。ただ、ここでは、理想的な姿勢を示すだけでなく、どうしたらその姿勢をとることができるのか、どうしたら日常生活の中に無理なく取り入れることができるかをお伝えします。ですから、不具合が生じて来院された方にはまず、今の痛みがどのような理由で、何がきっかけで生じたかということを説明して、間違った体の使い方を続けているとまた同じような不具合が生じる可能性があることを丁寧に説明します。カイロプラクティックをはじめ、西洋医学を積極的に取り入れてきた一つの理由は、カイロプラクティックをベースにすると姿勢が体に及ぼす影響や関節の可動域のことなどをロジカルに説明することができるからです。

—— 確かにそれがわからないと何にせよ三日坊主で終わってしまう可能性が高いですね。こちらでは最初に骨格等の説明があり、全身の関節の可動域や痛みを細かくチェックされますね。「からだの年表」への記入も。

仲野 急に痛みが出るわけではなく、体は何かしらのシグナルを発しているはずなんです。でも、体の仕組みが解っていないとそのシグナルを自分でリサーチすることができません。また、その方のこれまでのスポーツ歴や日常、お仕事を細かく教えていただくのは、ご本人も気付いていない、思わぬことが不調の原因になっていることもあるからです。

—— その患者さんに合わせてカスタマイズする。

仲野 そうです。チューニングしていく、あるいは姿勢治療家®の私たちが、伴走するイメージでしょうか。治療を始めたときにお渡しする「からだの取扱い説明書」には、患者さんが記入できるスペースがありますので、そこに体の変化など気付いたことを簡単にメモしていただくようにお勧めしています。後々、変化の様子も確かめられますし、何より姿勢を意識することが大事なので。意識するだけでも違いますよ。

—— ずばり、正しい姿勢とは?

 

仲野 体を最も効率よく動かすことができる姿勢で、それは体への負担が最も少ない姿勢ということでもあります。そして、正しい姿勢は正しいポジションによってもたらされますから、骨を本来あるべき位置に戻し、その周りの体幹筋肉(インナーマッスル)が適切に働くようにすることが必要になります。アーユル チェアーは正しい姿勢を意識するのにとてもいいと思い使っています。

—— ご著書のタイトルにも使われている「背伸び」のほかに、普段からできることはありますか。

仲野 歩きましょう。「歩く」ことは正しい姿勢を維持するのにとても有効な手段であり、全身を支える体幹を機能させる有効な手段でもあるんです。そもそも、人間の体は座ることに向いていない構造になっています。この体は歩くためのものなんです。青山から東京駅に行くために、みなさんは当然電車を利用されると思いますが、昔の人なら歩いていた距離です。歩ける体を取り戻せば、本来自分の体が持っているパフォーマンスも上がりますよ。

—— 耳が痛いです・・・

仲野 王様ならば体のサポートをしてくれる専任の人がいたでしょうけれども、現代では王様ではない私たちが王様のような生活をしてしまっているのが問題です。ほ乳類の中で長く歩き続けることができるのは人間だけなのですよ。

—— 逆に考えれば、歩かずに座り続けると正しい姿勢が維持できず、体幹も正しく機能しないということになり、腰痛等の不具合が起こるわけですね。

仲野 そうです。最近、アップルやグーグルなどのオフィスのように、高さの調節ができるスタンディングデスクを採用するところが増えています。正しい姿勢の重要性を理解する企業が徐々に増えているということですね。と、同時に「歩く」ことの大切さも理解されてきています。長時間のデスクワークが必要な場合、座るのに疲れたら立ち上がって仕事ができるデスクを採用することで、正しい姿勢を保てますし、仕事の効率も上がるはずです。

—— 確かに、最近は日本でも、特に外資系の企業でスタンディングデスクを使っているオフィスを見かけるようになりました。ところで、念のために伺いますが、先生は腰痛はありますか?

仲野 ありません(笑)。本来の体を学んで正しく使えるようになるとどんなことができるようになるのか?という実験を自分の体を使って行っています。

—— え!実験ですか。具体的には?

仲野 4年ほど前、ほとんど泳げず、自転車の経験もほとんどない状態でトライアスロンのトレーニングを始めて、開始から5ヶ月でオリンピック・ディスタンスのトライアスロンを完走、その5ヶ月後にはバッセルトン・アイアンマンレースを完走することができました。そして、2016年はサハラ砂漠マラソン、2017年はアタカマ砂漠マラソンに出場して、約10kgの荷物を背負い、7日間かけて約250kmを走りきりました。2018年、今年はコペンハーゲン・アイアンマンレースに出場します。

注:【アイアンマンレース】スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km、総距離は226km。いわゆるトライアスロンは、オリンピック・ディスタンスのレースで、スイム1.5km、バイク40km、ラン10km、総距離は51.5km。

—— 素晴らしいですね!でも、先生は本当に、元々運動神経が良かったというわけではないのですか。

仲野 それはありません(笑)。ただ職業柄、体を最も効率的に使える正しい姿勢が身についていたことと、筋肉の使い方を普通の人よりは意識できていたことが、トレーニングにとても役立ったと思います。体の使い方に関しては、自分自身で経験して、確認したことをお伝えするようにしています。

—— それならとても説得力がありますね。

仲野 健康はお金と違って貯めることはできませんし、人から借りることもできません。自分自身でマネージメントするしかないのです。でも、体は意識ひとつで変えることができます。体の不具合や体力の低下に気付いたら、できるだけ早くメンテナンスを始めて、体の状態を上向きにしていってください。

患者さんに渡される「からだの取扱い説明書」には“体を見直す時間は、人生を見直す時間”と、書かれています。私たちの体は意識ひとつで変えることができる。腰痛持ちの皆さん、「正しい姿勢」を取り戻し、体の状態も、人生も上向きに!

仲野整體 東京青山
TEL:03-5766-1937
仲野孝明氏(「仲野整體 東京青山」院長)
姿勢治療家®、仲野整體柔道整復師、柔道整復師認定スポーツトレーナー
1973年、三重県生まれ。大正15年創業「仲野整體」四代目。2008年「仲野整體 東京青山」開院。
著書に『一生「疲れない」姿勢のつくり方』(実業之日本社)『長く健康でいたければ、「背伸び」をしなさい』(サンマーク出版)他多数

姿勢治療家®とは、“正しい姿勢”と“正しい体の使い方”から、10年後の健康のために治療する、筋骨格から健康を作る体の専門家。
「仲野整體 東京青山」は、来院者が本来の体を学び、取り戻す場所。

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