腰痛ラボ

腰痛の悩みが和らぐ、腰痛改善を一緒に考えるラボ

#6 渡部建さん(アンジャッシュ)
「腰痛で、タバコもゴルフもやめました。」

「腰痛で、タバコもゴルフもやめました。」

 

前回は、腰痛歴26年の渡部さんに、その向き合い方や日々の工夫など伺いましたが、今回は渡部さんの人生を変えるきっかけとなった腰痛・・・振り回されるだけではなく前向きかつ、運命的な腰痛のお話しを伺うことができました。腰痛って辛いことばかりじゃないんだー!と、夕陽に向かって叫びたいくらいのいいお話しです。

—— 長年、腰痛と向き合ってこられた渡部さんでも「しまった!」ということはあるのでしょうか。

渡部建さん(以下「渡部」) 

   明らかに腰に悪いということはもちろん注意しますが、油断する瞬間が危ないんですよ。重いものを持ち上げるときには膝を折るなどして細心の注意をはらいますよね。でも、実は降ろすときが危ない。僕が経験したのはデッドリフト。持ち上げたバーベルはそのまま手を離して、ドンと落としてよいとされているんですが、なんだか申し訳ない気がして(笑)、ゆっくり降ろそうとしたとき・・痛めちゃいましたね。

—— なるほど、油断するということでは寝起きも危険そうですね。

渡部 そうなんです。朝、歯を磨いてすすぐとき、顔を洗うときは必ず洗面台に手や肘をついておかないとだめですね。そして、何といっても腰を冷やさないことが肝心。炎症を起こした場合は別ですが、普段は絶対に温める。寒い時季だけでなく夏にTシャツと短パンのときでも腹巻きは欠かしません。最近は素材のバリエーションも豊富なので、ウールにコットン、シルクっぽいのとかいろいろ、通年で十数枚持ってます。

—— 腰痛歴26年のベテラン、渡部さんですが、椎間板ヘルニアの手術を受けて以来の腰痛との関わり方を振り返ってみていかがですか。

 

渡部 19歳で椎間板ヘルニアの手術をしたときに、その後の長い人生、ずっと腰痛と向き合っていかなくてはいけないんだということは理解していました。その後、またひどい腰痛になったときに「もう手術はできない」と言われてしまって。なんとかしなくてはといろいろ調べていたときに東洋医学から入って、ヨガに出会ったんです。そのヨガは、骨格矯正のヨガで、つまり自分の筋肉で骨を矯正していく、自前のコルセットを作るという考え方だったんです。ヨガを始めたら、みるみる症状が良くなっていって、その時に先生から「そろそろ煙草のこと、考えてみなさい」と言われまして。実はその頃僕はヘビースモーカーだったんですよ。煙草を選ぶか、腰痛から逃れることを選ぶかという選択を迫られ、煙草をやめることを選びました。まあ、当然ですよね。

—— ヘビースモーカーだった渡部さんが即、禁煙を選ばれたということから、腰痛の辛さとヨガの効果のほどがわかります。

渡部 腰痛予防に必要なのは、筋肉と柔軟性なんです。筋肉をつけて、その柔軟性を保つこと。だから、ヨガは相当いいなと思うんです。

—— ゴルフはいかがですか。お好きでしたよね。

渡部 ゴルフも結果的には煙草と一緒です。自己流のフォームで始めて、どんどんスコアが伸びてた調子のいい頃に、自分のスイングを360度のモーションキャプチャーでチェックしたら、なんと腰がぜんぜん回ってないことが解ったんです。腰を回すようにすれば飛距離を伸ばせると、その頃は腰に痛みがなかったのをいいことに、腰を回すようにしたらフォームもぐっとよくなり、飛距離も伸びたけれど・・やっぱり来ましたね。5番アイアンが杖状態。十分な準備もしないまま腰を回すなんて無謀すぎましたよ。結局、ゴルフはやめました。

—— 飛距離が伸びる、フォームが良くなる・・危険な誘惑ですね。では、ひところはゴルフ三昧の日々だったのですか。

渡部 はい、以前は年間で60~70ラウンドはしていましたね。帯番組を担当していた時期でしたから、プライベートな時間はほぼゴルフに費やしていたことになります。寝ても覚めてもゴルフ、ゴルフ。冷静に考えたら、腰痛に向かってまっしぐら、みたいなスポーツなのに。

—— ゴルフは体の片方だけに負担のかかる、腰には良くないスポーツですね。でも、それほどお好きなのに、腰痛ゴルファーの道は選ばれなかったのですね。

 

渡部 そうなんですよ、腰痛ゴルファーね。フォームはちょっとかっこ悪いけど上手い人、沢山いますよね。レフティへ変えることも、実は考えました。今思えばゴルフってすごく中毒性のあるスポーツですね。でも、これらのこともなんだか運命のように感じるんですよ。

—— 大好きなゴルフや煙草をきっぱりとやめたことですか

渡部 はい、以前のようなゴルフ中心の生活を続けていたら、今みたいに食べ歩けてないだろうし、仕事にも集中できてなかったかもしれません。腰がぴんぴんしていたらもっともっと、不摂生な生活をしていたと思うんです。20代で「体を冷やさない」とか「姿勢に気をつける」なんて普通は考えないでしょう(笑)。腰痛と出会ったことは、自分の生活や人生を見直すきっかけになりました。特にゴルフをやめたことで、時間ができたし、それ以外のことに目を向けることができましたから。

—— とてもいいお話しですね。腰痛との付き合いを前向きに捉えていらっしゃる。最近はゴルフに代わるようなスポーツはなさっているのですか。

渡部 マラソンデビューしました。ダッシュもできますよ。もちろん、トレーナーの方と相談しながらトレーニングしていますが。腰痛と正しく付き合えば、新たなスポーツにだって挑戦できるし、可能性も広がります。

—— 腰痛ラボに集う腰痛持ちの人々に勇気を与えてくださりありがとうございます。今後の渡部さんのご活躍の蔭には腰痛と向き合ってこられた歴史があることに思いを馳せつつ、いっそう応援させていただきます。

渡部 ありがとうございます。しかし、こんなに腰痛のことばかり話したのは初めてです(笑)。でも、これ腰痛あるあるなんですが、実は取材が始まってからずっと腰がうずうずしてるんです。腰痛をお持ちの方なら解るはず。腰のことを話すとなんか、こう腰がうずうずしちゃうんですよね。解ります?

—— 我々も、お話し伺いながらずっとうずうずしてました(笑)

渡部 やっぱりそうなんだ。今回は腰痛との付き合いを見つめ直すいい機会になりました。気持ちも新たに腰痛と向き合って参ります!

渡部さんは正しく腰痛と付き合っておられる尊敬すべき腰痛セレブでした。きちんと理解して、冷静に判断する。腰痛への思いを新たにした編集部スタッフでした。

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